検査

腫瘍マーカー

症状

早期発見が難しく、診断時には進行がんであることが多い。

膵頭部での発がんが最多。膵頭部がんでは黄疸が生じやすいため、膵体部がんに比べて早期に発見されやすい。膵頭部に腫瘍ができると、胆管がつまり、胆汁が逆流することが原因。

膵液分泌低下により吸収不良が起こる。また耐糖能低下も起こり体重減少につながる。

ステージ

すい臓がんは実質臓器であり、がんの大きさやリンパ節転移の数などによりステージが決定されます。

手術

手術は「膵頭十二指腸切除術」「膵体尾部切除」の2種類が多い。

膵頭十二指腸切除術の再建方法にはChild法やWipple法、今永法などがある。胆のうを一緒に切除する。

膵体尾部切除は脾臓を一緒に切除する。

また「膵全摘出」はすい臓を全摘し、十二指腸、胆管、胆のうを切除する。がんがすい臓全体に広がっている場合に行うが、インスリン投与が必要になるため手術例は減っている。

腹腔鏡手術は「膵頭十二指腸切除術」「膵体尾部切除」で行われる。

 

術前治療

 

術後合併症(膵液瘻)

すい臓がん手術は合併症が多く、重篤なケースも少なくない。2017年の全国統計では膵頭十二指腸切除術の22%に重症の合併症が発生し、そのうち3.2%が再手術、1.3%が術後30日以内に死亡したと報告されている。

重症化する原因の多くはすい臓を切除した部分から膵液が漏れることによっておこる「膵液瘻」。漏れ出した膵液に含まれるトリプシノーゲンから発生するキモトリプシン、エラスターゼが体内のたんぱく質を溶かしてしまう。活性化には腸内細菌の影響もある。

また膵液が漏れ出た場所が感染し、膿瘍ができると高熱や痛みの原因となる。ここから敗血症につながったり、動脈壁を損傷し仮性動脈瘤になることがある。動脈瘤が破裂すると大出血を引き起こす。

膿瘍を放置すると、このような重症になることが多いのでドレーンチューブを入れて体外に吸い出すとよい。術後、膵液が漏れ出る恐れのある場所にあらかじめドレーンを入れておくこともある。

胆汁瘻

再建した消化管から胆汁が漏れる

逆行性胆管炎

膵頭十二指腸切除術を受けるとOddi括約筋も切除されるため胆管に逆流が起こりやすくなり、細菌感染を起こす。その結果腹痛や黄疸が生じる。抗生剤を常備しておくなどの対策を取る。

術後は胃の動きが悪くなるため、食後の胃もたれ・食欲減退になりやすい。脂肪吸収の力が弱まり下痢をしやすくなることもある。そこで膵消化酵素補充薬であるパンクレリパーゼ(リパクレオン)

薬物療法

手術でがんを取りきることが難しい場合、第一選択は5種類ある

  1. ゲムシタビン単独療法
  2. ゲムシタビン+エルロチニブ併用療法
  3. S-1単独療法
  4. FOLFIRINOX
  5. ゲムシタビン+nabパクリタキセル併用療法

ゲムシタビン単独療法は副作用が少ないため、体力が低下した人でも良い。

FOLFIRINOXはゲムシタビン単独療法より効果が期待できるが副作用が強いため、体力がある人に適している。

大きく分けるとゲムシタビン系とフルオロウラシル系に分けられる。二次治療になると、別系統のレジメンを行う。

高頻度マイクロサテライト不安定(MSI-High)や高い腫瘍遺伝子変異量(TBM-High)ではペンブロリズマブ(キートルーダ)を使用することがあるが頻度は低い。

緩和ケア

黄疸に対して減黄処置を行うことがある。胆汁を吸い取るため、口から十二指腸まで内視鏡を挿入する内視鏡的胆道ドレナージ(ENBD)体外から皮膚、肝臓に針を通して胆管を広げる経皮肝胆道ドレナージ(PTBD)、内視鏡で金属ステントを胆管に埋め込むステント留置術がある。

腫瘍により十二指腸や胃が閉塞して食事がとれない場合は内視鏡により胃や十二指腸へ金属ステントを挿入して狭くなっている部分を広げる方法がある。

参考