酸素マスクを装着すると、マスクの接触部位が赤くなったり、褥瘡に発展するケースがあります。こうした状況での対処方法として、ドレッシング材の活用があります。これについて説明していきます。

ガイドラインでの推奨

日本褥瘡学会による褥瘡予防・管理ガイドライン(第4版)には酸素マスクによる褥瘡予防に対してポリウレタンフィルムやハイドロコロイドのドレッシング材を使用することが記載されています。

解説によると、フェイスマスクをすると接触部位に96.7%の割合でGrade1(発赤程度)の褥瘡が発生します。しかしマスクの接触部位にポリウレタンフィルムドレッシング材を使用すると褥瘡発生率は53.3%に減少し、ハイドロコロイドドレッシング材では40%に減少するという記載がありました。

このように褥瘡は自重によるものだけでなく、医療機器の圧迫が原因となるものもあります。こうした褥瘡をMDRPU(Medical Device Related Pressure Ulcer)、日本語では医療関連機器圧迫創傷と呼びます。

MDRPU(医療関連機器圧迫創傷)の予防

MDRPUは、特定の部位に持続的な圧力をかけるブレース、カテーテル、酸素マスクなどの医療機器が原因で発生します。この圧力により、患部への血液循環が妨げられ、組織が損傷し、潰瘍が形成されます。

MDRPUを予防するためには、ドレッシング材以外の方法も考える必要があります。例えば、酸素マスクを必要以上に締め付けているなど、装着方法が原因であることもあるからです。あるいはサイズが合わない器具を装着している場合もあります。

ドレッシング材は対症療法に過ぎないため、常に根本的な要因がないかを考えておくことが重要です。

患者要因

患者側の要因を考えることで、MDRPUのなりやすさやリスクを把握することができます。患者の状況に応じて、負担の少ない機器を選択することが予防になります。

例えば、高齢者など皮膚が薄くなっている場合はMDRPUリスクが高くなります。そのため、医療機器を使用する場合は可能な限り接触面積が小さいもの、あるいは圧力が分散できるものを選択するようにします。

その他にも、関節や骨の突出部位を確認し、装着部位を工夫すること、鎮痛剤服用による疼痛を感じにくくなること、認知機能の低下により装着方法の習得が困難など、可能な限り患者側の要因を把握し、そこにフィットする機器を選択するとMDRPU予防になります。

機器の要因

使用する医療機器は年齢や体格に適合したサイズを選択する必要がありますが、単一規格しかない機器や、事前のフィッティングが難しい場合もあります。また説明書を見ても、装着方法が良くわからないことなどもあります。

そうした機器側の要因についても事前に考慮しておくとMDRPU予防につながります。

ケア要因

上記においてMDRPUの予防対策が万全でも、我々の説明不足によってMDRPUリスクが上昇することもあります。

例えば、皮膚状態が乾燥して湿疹が出ている場合は保湿剤によるスキンケアを同時並行するなどのケアが必要です。また、ドレッシング材の選択や使用方法についても上手にしなければいけません。