末梢神経障害
神経障害には、中枢神経障害と末梢神経障害の2つがあり、プラチナ製剤によるものでは末梢神経障害が一般的です。末梢神経障害には急性タイプと慢性タイプがあり、プラチナ製剤によるものは慢性末梢神経障害が主体です。
また末梢神経障害は障害部位によって症状が異なります。たとえば、神経細胞体障害、軸索障害、髄鞘障害などがあります。プラチナ製剤による神経細胞体障害であり、「手袋靴下型」で現れることが多いです。これは左右対称的にしかも手袋と靴下をするところの感覚が強く障害される特徴があります。
慢性末梢神経障害は、累積投与量が800~850mg/㎡で発現しやすい傾向があります。休薬により徐々に回復することが可能ですが、休薬が遅れると回復までに時間がかかります。患者はしびれや痛み、感覚異常などの症状を経験し、「ボタンが留めにくい」、「本のページがめくれない」などの日常の困りごとを相談されることがあります。
ただし、オキサリプラチンには例外的に急性神経障害も見られます。投与後1~2日以内に発生し、寒冷刺激によって誘発されることが一般的です。症状にはしびれや痛みに加え、のどの絞扼感が含まれ、たとえば冷たい飲み物を摂ると喉が締め付けられて苦しいことがあります。
予防薬は存在しませんが、デュロキセチンが治療薬として使われます。他にもプレガバリンやガバペンチン、牛車腎気丸なども使用されることがありますが、ガイドラインでは推奨されていません。
「Stop and Go」は、重篤な末梢神経障害を未然に防ぐためのオキサリプラチンの投与法で、一時中止するレジメンとして採用されています。
悪心・嘔吐
がん薬物療法の催吐性リスクは高度、中等度、軽度、最小度の4段階に分類され、リスクに応じた予防薬が投与される。
悪心・嘔吐は①急性②遅発性③予期性に分類される。
女性や若年者、乗り物酔いをしやすい患者は悪心・嘔吐が起こりやすいことが知られている。また飲酒習慣がある場合はシスプラチンによる悪心・嘔吐の頻度が低下するが、そのメカニズムは不明です。抗がん薬の催吐性リスクだけでなく、患者要因も考慮して対策を考えるのが良い。
聴覚障害
シスプラチンで多く、カルボプラチンでは改良され軽減している。

