良い症例報告の要点として、誤字脱字のない文章と時系列に基づいた構成が挙げられます。まず、時系列の整合性に注力し、以下の流れで記載することが良いでしょう。①介入事例の病態②問題点の提示③実際の介入内容④介入後の変化
①介入事例の病態:患者の情報を要点を抑えながら明確にまとめることが重要です。現病歴や現在の症状、検査結果に加え、患者の年齢、性別、がんの種類やステージ、治療内容などを要約して記載します。保険薬局での介入回数や内容も簡潔にまとめます。
②問題点の提示:数値化した指標の活用もポイントです。CTCAEのGrade評価や疼痛スケールのNRSなどを使用し、問題点や変化の程度を具体的に示します。発生時期はコース数を考慮して明記します。
③実際の介入内容:処方提案のの根拠となる文献や資料を引用しすることで説得力を持たせることができます。
④介入後の変化:提案の結果は数値化した指標で変化や改善を明示的に示します。これにより、症例報告がより読みやすくなります。
トレーシングレポートの例
S-1による下痢
| S-1服用中に、ブリストルスケール5~6の下痢症状が1日2~3回継続し、ひどいときには1日4~5回の下痢が出現するようです。下剤の使用無く、発熱や腹痛も内容であり、S-1による下痢症状Grade1が疑われます。下痢症状の悪化を懸念され、下痢症状があるときは食事摂取を控えてしまう傾向にあるようです。
2サイクル目では下痢止めの薬を希望されませんでした。下痢症状が1日4回以上継続した場合や、発熱・腹痛を伴う場合は受診するように指導しております。次回診察時に下痢症状対策としてロペラミド1mg/回の屯用処方をご検討いただけますと幸いです。 |
引用:ファーマスタイル2024/1
臨床試験時データを確認し、S-1による下痢は約20%の頻度で起こることを確認し、さらに下剤や抗菌薬、食中毒など、考えられる他の原因を除外することで可能性を高めることができる。
下痢の評価にはブリストルスケールやCTCAEのGrade評価を判断する。このように論理的にステップを踏むことが重要。

