深部静脈血栓症

抗がん剤は様々な副作用を引き起こすことがあります。その中で注目される一つが、抗がん剤による深部静脈血栓症(DVT)があり、ベバシズマブやラムシルマブなどの血管新生阻害薬で知られています。

DVTの症状や診断基準について理解していれば、早期発見と適切な治療につながります。そのため、これらの知識は抗がん剤治療の一環として不可欠です。

DVT(深部静脈血栓症)の症状と診断方法

DVTは血栓が下肢の深部静脈に詰まることで引き起こされます。主な症状には腫れ、鈍痛、および色調の変化(これを三大症候と呼びます)があります。通常、片側性の症状が現れ、片側性の場合はDVTを疑います。逆に、両側性の場合は心不全や腎不全などが疑われます。ただし、両足同時に塞栓が起こると両側性の症状が現れます。

ホーマンズ徴候は、患者に下肢を伸展させた状態で底背屈運動を行い、腓腹部に疼痛があるかどうかを調べる検査です。もし痛みがあれば、ホーマンズ徴候は「陽性」であり、下肢に血栓が形成されている可能性が高まります。

ローエンベルク徴候は、下腿に血圧測定用のカフを巻いて加圧していくと、60~150mmHgの圧で下腿に痛みが生じるというものです。

DVTの診断

DVTの診断では、まず問診により事前確率を評価します。その際に利用されるのがWellsスコアです。低確率または中確率の場合、Dダイマー検査が行われ、Dダイマーが陰性であれば、DVTは否定されます。ただし、事前確率が高い場合は偽陰性のリスクが高まるため、画像検査が行われます。

Dダイマーの上昇は入院患者、がん患者、妊婦、高齢者などによく見られます。そのため、これらの患者においてはDVTの除外診断としてDダイマー検査の有用性は低く、偽陽性が多くなる可能性があります。